紙戸屋・中野表具店

部材:和紙・骨・引手・フチ

襖(ふすま)は、和紙、襖骨、引手、フチで作成されています。皆さんは、襖の内部構造をご存じでしょうか?また、新しく襖を作成する際に「襖骨」から選ぶことをされましたか?当店ではお客様のご希望をお伺いし、仕上がった際に目に付く襖紙はもちろん、襖紙に合った下張り和紙、襖骨、引手、フチをご提案しております。襖部材はいろいろあります。ひとつひとつの部材を吟味してステキな襖を作成して下さい。

襖骨

襖骨

襖骨の種類は大きく分けると3つ。使い捨てタイプのスタイロ、段ボール、簡易襖のチップボール、そして昔ながらの本襖の骨です。昨今のマンションに使用されているのはほとんどが「スタイロ」となり、戸建てではハウスメーカーや工務店で設置する襖骨は異なります。

*当店ではスタイロ、段ボール襖の新調は作成しておりません。

襖引手(ふすまひきて)

襖引手

襖(ふすま)の引手は、ふすまを開け閉めする際にふすま紙に直接手が触れるのを防ぎ、手垢などからふすま紙の汚れをを防ぐ役目を果たします。
襖(ふすま)の引手にもさまざまな種類があり、材質の違いはもちろん豊富なデザインがあります。高価な引手はひとつひとつ職人の手作りで作成されます。大量生産されるふすま引手は200円程度から。耐久性やデザイン、またどの程度の期間使用したいのかなども考慮してお選び下さい。
四角い引手には「チリ落とし」とよばれる形状のものが多くあり、引手にホコリがたまらないような形状になっています。丸い引手には「座もの」と呼ばれ、飾りがついているものがあります。その他に丸引手には「寸ロク」と呼ばれるシンプルな形の物があり、土台に付ける穴の大きさが「座もの」とは異なります。

襖縁(ふすまふち)

襖縁

襖縁(ふすまふち)は襖の外周を囲って強度を増す役割と、襖を開閉する際手アカなどで襖紙を汚さないようにする役割をはたします。
木地の襖縁は「スプルース」や「目はじき」が主流です。安価なフチは「ラッピング」となり木の印刷が施されたシールが貼られたフチになっています。漆塗りの襖縁は、熟練の職人さんの手で作成されます。この長い襖縁に漆を均一に塗るのが大変難しく、かなり限定された職人さんの中で作成されています。漆縁は地方によって呼び名が異なり、通常書籍で「花塗り」と呼ばれる「油分を含んだ漆を塗り、乾かすだけで研ぎ出さない技法」。関西では上等の物を半田中入(書籍等では上花塗り)、並のものを通例(三方塗り)といいます。また、磨き仕上げされた縁を「呂色」といい、さまざまな色目や技法があります。
漆塗りの襖縁の代用品として作成されたのが「カシュー」と呼ばれる襖縁で、現在は、この塗りが主流です。「カシュー」とはカシューナッツからつくられた塗料のこと。基本的に「漆塗り」で作成される技法をまねて作成されているので、漆襖縁と同じようなカシューの襖縁があります。

名塩和紙

下張り:名塩和紙(本襖・胴張り)

名塩和紙の特徴は、地元で産出される泥を入れて漉かれていること。まったりとした独特の風合いを持つ和紙です。
襖の胴張りに使用する名塩和紙・間合紙は「漉き返し」と言い、一度使用した和紙をもう一度紙に漉いて作られます。昔々、紙は大変貴重な品であったためリサイクルの観点からそのようになったのかと思います。

手漉き襖紙

手漉き襖紙(本鳥の子)

手漉き襖紙(本鳥の子)は越前だけで作成される大判の襖紙です。流し漉きで大判和紙を漉くのは越前和紙のみ。現在では5件のみとなりましたが、大きな漉き桁を使った紙漉きは圧巻の風景です。当店でオススメしている「雲肌」の手漉き襖紙も、もちろん越前で漉かれた和紙。光の加減で紙の繊維が見え隠れする、しっとりと美しい日本らしさを感じさせる襖紙です。

宇陀紙

掛軸・総裏:宇陀紙(うだがみ)

宇陀紙は奈良県吉野で漉かれる掛軸の仕上げ(裏面)に使用される和紙です。江戸時代、大和宇陀町の商人が全国に売り歩き宇陀紙と呼ばれるようになったのだそうです。この宇陀紙は「泥」を入れて漉かれています。泥を入れると虫が和紙を食べない。掛軸は和紙繊維(木)、糊(でんぷん)などの天然素材のみで作成されるため、虫喰い被害に合いやすくなります。昔々から続く技法で漉かれた宇陀紙。

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